人生の幸福を最大化する書籍『DIE WITH ZERO』の考え方

暮らしを豊かにする本

今回は、最近読んだ『DIE WITH ZERO』という書籍の考え方が非常に衝撃的で、ためになると感じたのでシェアしていきます!

「DIE WITH ZERO」という言葉は、その名の通り「ゼロで死ぬ」ということを意味します。
これは、資産を残して死ぬのではなく、死ぬまでに資産を最大限使い切るべきであるという考え方で、本書の重要なテーマとなっています。

今の時代はとにかく若いうちから節約し、老後資金を貯蓄するべきという風潮が強くなってきていると感じます。

私自身もこの本を読むまでは、「とにかく若いうちから貯蓄・資産形成するべきだ!」という考えをもっていました。

本書では、そんな世の中の常識に一石を投じます。

本記事ではこの「DIE WITH ZERO」の考えの本質を掻い摘んで紹介していきます。

ぜひ皆さんもこの考え方を理解し、日々をより豊かに過ごしていただけたら嬉しいです!

「DIE WITH ZERO」という考え方

「十分なお金を稼ぎ、貯蓄し、老後の安心を確保する」

これは現代人の多くが目指している目標だと思います。

近年は老後2000万円問題や新NISAの登場など、国が主体となって資産形成を促すようになってきました。

また、ネット証券などの普及もあり、「若いうち、早いうちからとにかく複利でお金を増やす。そのために、稼いだお金はどんどん貯蓄や投資に回す」という考えが普及してきたように感じます。

しかし、本書の著者ビル・パーキンスさんは、この考え方に次のような疑問を抱きます。

「人生の終わりに近づいた時、使い切れないほどの財産を持っていることは、果たして本当に幸せなのか?」

彼は、お金をただ貯めるだけでなく、人生の一瞬一瞬を最大限に楽しむことこそが重要であると考えました。

そして、特に20代30代の若いうちは、貯蓄ではなくどんどん経験に投資すべきだと主張するようになります。

経験にこそお金を使うべき

本書では、経験は後回しにせず、若いうちから積極的にお金を使うべきと主張しています。

なぜなら、同じ経験でも、若いうちのほうが得られる価値が大きいからです。

例えば、大切な友達との思い出を作るため海外旅行に行くことを考えます。

ここで、貯蓄のために旅行を10年後まで先延ばししたとしたらどうなるでしょうか。

10年後にはお金は貯まっているかもしれませんが、今と同じように友達と海外に行くことができるとは限りません。

「会社で昇進したからとても海外には行けない」、「子供ができたから海外旅行に行くのは厳しい」と断られてしまう可能性もあります。

そもそも、10年後には友達と疎遠になってしまっているかもしれません。

家族との旅行はどうでしょうか。

10年後にはみんな今よりも10歳年を取っています。

大きくなった子供は一緒に旅行に行けるでしょうか。

両親は健康状態が悪化し、出かけることが難しくなっているかもしれません。

仮に行けたとしても、健康を理由に行動は大きく制限されてしまうでしょう。

つまり、先延ばしにすることで、同じお金をかけたときに得られる経験値が少なくなってしまったり、経験自体ができなくなってしまうリスクがあるのです。

年を取れば一般的にもらえる給料も上がっていきますし、貯金もしやすくなります。

一方で、年を重ねると責任や守るべきものが増え、健康上の理由からもできることは限られていきます。

お金を理由に経験を先延ばしにするのは、大きなリスクを伴うのです。

それならば、若いうちの安い給料を将来のために貯金するのではなく、むしろ稼いだお金をどんどん使っていくべきではないでしょうか。

お金が貯まるのを待って、気づいたときにはしたいことができなくなっていては元も子もありません。

お金は使うためにあり、使うべき時に使うことが大切なのです。

複利で増えるのはお金だけではない

この本で繰り返し出てくるのが、「思い出」という言葉です。

著者は、年を取ったときに最も価値を感じるもの、それは経験が与えてくれる「思い出」であると主張しています。

お金は墓場に持っていけませんし、使わなければ意味がないです。

死ぬ間際に幸せを与えてくれるのは、人生を通して得られた思い出なのです。

言われてみれば納得ですが、普段の生活から意識するのはなかなか難しいですよね…

そして、経験はその瞬間だけでなく、時間が経ってから思い出した時にも幸せを運んできてくれるのです。

例えば、若い頃行った旅行は、1週間後に思い出しても、10年後に思い出しても「楽しかったなあ」と幸せを感じることができます。

旅の思い出を友人に話したり、自分一人で回想したり、一緒に旅行に行った友達と思い出話に花を咲かせることだってできます。

皆さんもそんな経験が一度はあるのではないでしょうか。

本書ではこれを「記憶の配当」という言葉で表現しています。

それだけではありません。

旅の回想や誰かと分かち合ったり、ネタにして笑いあったりした経験は、それ自体がまた別の思い出となります。

良い経験は周りに伝染し、自分が思っている以上のポジティブな連鎖反応が起こるのです。

これが、思い出の複利効果です。

つまり、経験は20, 30代の若いうちに最大化されるだけでなく、思い出として得られる幸せも雪だるま式に増えていくのです。

経験以外にお金を掛けるべきこと

著者は経験以外にも、健康時間にはお金を掛けるべきだと述べています。

健康

老後に大きな問題となるのが、老化による体の不調や病気です。

これらの問題はお金がかかるだけでなく、何か経験したいときの大きな足かせにもなってしまいます。

著者は健康は金より重いと述べ、健康を維持するため若いうちからお金をかけて病気の予防することが非常に大切だと語っています。

例えば、若いころから食生活に気を付ける、定期的な運動を欠かせないなどです。

健康が脅かされれば、いくらお金があっても人生の幸福度は大きく下がってしまいます。

そのうえ、健康は失ってからでは、お金を掛けたとしても取り戻せないことも少なくありません。

幸せで豊かな生活を送るためには、健康であることは必須条件なのです。

時間

人生は有限で、使える時間は限られています。

一般に若い時は健康で自由な時間もあるが、お金はあまりありません。

一方で老後生活を送る60代以上の人は、時間は豊富にあり、大抵お金も持っていますが、健康状態が衰えてしまっています。

この両端の中間に位置し、健康と富のバランスの良いのが30~40代の中年期です。

本書ではこの年代を「人生の真の黄金期」と呼んでいます。

ただ、この年代は子育てなどで時間が足りなくなる傾向にあります。

そこで著者は、金で時間を買うことが人生を豊かにするためには大切であると主張します。

例えば、洗濯や家事などを代行サービスに外注したり、より高性能な家電を購入して時間を短縮したりなどです。

時間はお金よりもはるかに希少で有限です。

時間を作るためにお金を払うことが、人生の満足度を高めることにつながっていくのです。

貯蓄・資産形成が好きな人に伝えたいメッセージ

本書のメッセージをまとめると、次のようになります。

私たちはお金をためすぎている。金は墓場にもっていくことはできない。金は使うためにあるのだから、若いうちから使うべき金は使うべきである。

このメッセージはシンプルですが、本質的で人生に非常に大きな意味をもちます。

著者のパーキンスさんは、財産を残すよりも、経験や冒険に投資することが真の豊かさをもたらすと主張しています。

そして、経験は若いうちにするほど最大限の価値を与え、得られる思い出も最大化されていきます。

重要な点として、この書籍は老後への貯蓄や資産形成が悪であるということは一切述べていません。

むしろ、これらの貯蓄や投資は必要だと書籍の中で述べられています。

ただ、そのバランスが重要であると主張しているのです。

人は終わりを意識すると、その時間を最大限活用しようとする意欲が高まるものです。

若い時ほど死ぬ時期や人生の残された時間について考え、行動を改めるべきなのです。

まとめ

私は本書を通して、人生は有限だからこそ早いうちからお金の使い方について考え、学び、実践する必要があるということを強く思い知らされました。

そして、お金使うべき経験を見極めて、その経験の価値をよく考えるようにしようと決心しました。

本書にあるように、死ぬ瞬間に自分を幸せにしてくれるのは、それまで積み重ねてきた思い出です。

その時が来た時に、「いい人生だったな」と感じられるような幸せな経験・思い出を若いうちからたくさん積み上げていきましょう。

本ブログで書いた内容は本書のごく一部にしかすぎません。

本書の中では、他にも死ぬまでに資産を使い切るためのポイントや具体的方法が数多く紹介されています。

気になった方はぜひ実際に購入して、くまなく読んでみてください!

また、本書は日本語版だけでなく英語版の原著もアマゾンなどで購入することができます。

英語の学習にも役立つので、ぜひ読んでみてください!

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